2020年4月17日
久しぶりに現地で打ち合わせ。半月ぶりの自転車圏外への外出。これまで天気に恵まれておらず、初めて日が差した状態の物件を見られた。嬉しい。
2020年4月16日
2020年4月15日
母は今日から大学の授業。自宅からZoomで。普段の講義よりだいぶ準備が大変らしい。
あまり物音を立てられない時間帯に合わせて買い物に出た。西荻、駅周りは大変な人出だった。ひとのことは言えないけれど、新宿渋谷には行けない代わり、「自転車圏内の栄えている駅」に密集しやすいんじゃないかなと思う。haru.さんでお惣菜とおにぎりを買う。冷蔵ショーケースを見ると店に入れようとしているのと同じ型、色の、うちが予定しているより大きいやつだった。大根・にんじん・こんにゃく・ちくわのさっぱり煮、玉子の巾着煮(炊いた菜の花が添えられてとてもかわいい見た目だった)、高野豆腐の豚肉巻照焼き、かぶの葉とアミエビのふりかけご飯のおにぎり。体に悪いことがひとつもない感じ、やさしい、おいしい。
どこに行ってもUberの自転車を見かける。もし本格的にお金がなくなってバイトするならあの自転車はいいなあと思ったりするけれど、やらずには想像できない大変さもあるんだろう。なにごとも。
業務用スーパーを覗くと待望の無塩バターがどっさりあった。やはり品薄は品薄のようで、お一人様一点限りの制限付きだったけれど、ひとつで450グラム。22cmのケーキが9台焼ける。
一週間くらい前にラム酒に漬けたドライバナナを取り出してみると、そのまま食べたときの苦手な風味がなくなっていた!うれしい。ラムは強し。強すぎるという説もちょっとある。
シナモン入りの生地に刻んだラムバナナを混ぜ込んで、上にはフレッシュのバナナを乗せたケーキを焼いた。安定のおいしさ。
長い長い契約書を目を凝らしながら読む。
モロッコ料理の本 MOROCCAN COOKBOOK~NIGTH AND DAY~ (momo book)
- 作者:寺田なほ/エットハミ・ムライ・アメド
- 発売日: 2014/10/24
- メディア: 単行本
2020年4月14日
3時過ぎ、喉、というか舌?がガビガビに乾いて眠れなくなり、起きる。これまでなかった現象だが、なんだろう。マグに入っていた飲みかけのジャスミン茶と薄いカフェオレ(両方置いてあるのがたいへんだらしない)を飲み干してもガビガビが治らなかったので、枕元に一枚だけ残っていた蒸気が出るホットマスクをつけ、喉飴を舐めながら寝ることにする。蒸気が出るマスク、真冬、あまりに寒い朝の出勤時に自分へのご褒美としてつけていた、良いものだ。あらゆるサージカルマスクがドラッグストアから消えてもしばらくあれだけが残っていたけれど、今はどうなんだろう。
多和田葉子のベルリン通信。
テレビを通して視聴者に語りかけるメルケル首相には、国民を駆り立てるカリスマ性のようなものはほとんど感じられない。世界の政治家にナルシストが増え続ける中、貴重な存在だと思う。新たに生じた重い課題を背負い、深い疲れを感じさせる顔で、残力をふりしぼり、理性の最大公約数を静かに語りかけていた。
星に仄めかされて、読もう。
月日会の会報1号が届く。当たり前だがとんでもないボリュームにひえっとなり、ひとの日記、思った以上に面白く読む。たった数十人の中にこの人の書くもの、好きだな!と思える日記がいくつもありたいへん収穫。ブログに書かれている方のものはURLを控えたけれど、オンラインで書かれていない日記は会報に掲載されないと続きが読めない。レアだ。
2020年4月13日
一日中土砂降り。郵便受けまですら出ずに、冬用のルームシューズを履いて過ごす。
こんなに外に出られないならもう少し元職場で働いてお金を貯めておくんだったかな、というのと、毎日電車に乗ってリスクを感じながら仕事に通わなくていいのはやっぱり安心だ、という気持ちは毎日順繰りに湧いてきて、最終的には後者の方が正しかろうとだいたい思う。自分ひとりのことならトントンぐらいだろうが、自分が持ち帰ってきたコロナを家族にうつすのはあまりに怖い。
早番で使う下り方面の始発列車には、(4月現在どうなったかわからないが)“こんな時でも夜通し飲んでいる”ある意味精鋭たちが普段とほとんど変わりない密度で乗っていて、泥酔している人というのはマスクはもちろんしていないし、ぽっかり大口を開けて眠り込んでいたりするので傍目にもひやひやした。
作業しながらのBGMがわりに、期間限定で公開されている嵐のライブ動画を流す。嵐、2009年から3〜4年分くらいはライブDVDを持っている。生では観たこともない、去年家のテレビが壊れてからはさらに縁遠くなってしまったぬるすぎるファンだけれど(ファンを名乗っていいものかさえ)、久しぶりのライブはすばらしくパワーがあって引き込まれた。二度目も流したし、今度はBGMがわりでなく観ると思う。
:なすと木の実のアグロドルチェ
潰したにんにくとナッツをEXオリーブ油で炒める。ナッツが軽く色づいたら乱切りにした茄子を加えて油を回し、塩をして少し水を入れ蓋をし蒸し炒めにする。ほぼほぼ火が通ったところで蓋を外して砂糖を加え、つやつやとしてきたら赤ワインビネガーとレーズンを投入。炒め絡める。
細川亜衣さんづいた弾みにアグロドルチェ。日が経ってしまって気になっていたミックスナッツとドライフルーツをがさっと入れた。粗熱が取れて味が馴染んでからの方がおいしい。家族は夜にカレーと一緒に食べて、合うと言っていた。昨日のすっぱ鶏の煮汁には、母がイースターエッグだったもの(ゆで卵)を漬けていた。
2020年4月12日
再現性の高いレシピは素晴らしいが、再現性の低いレシピにも良さがある。遠い国のキッチンに思いを馳せられるような本が好きだ。細川亜衣さんのレシピには、ちょっとお高めで食材のバリエーションに定評があるような高級スーパーでもなかなかお目にかかれない野菜が普通に顔を出したりするのだけれど、手に取りたくなる魅力に溢れている。使う調味料の種類は少なく、手順もたいがいシンプルな分、素材のよさと作り手の腕に左右されるところが大きいという点でもハードルは高い。他にない写真がふんだんに使われた本の作りはどれも美しくぜいたくで、しかし不思議とお高くとまって突き放すような感じはない。添えられる文章の数々が、食べものへの愛に満ち満ちているからかもしれない。
いちご畑を持たない者は、いちごを店で買うことになるが、まずは小粒のものを選ぶことから始める。
かたちが不揃いならばなお結構、熟れ具合もいろいろあっていい、皿の上でも口の中でも、同じでないことのおいしさを発見できる。
『愛しの皿』で読者の目に最初に飛び込んでくる文章がこれだ(いちごとラディッシュのサラダに寄せられたエッセイである)。こんなの一発で好きになっちゃうだろ! というか文章力が高すぎやしないか。
というのを昨夜しみじみと噛みしめて、同著に載っている「すっぱ鶏」が作りたくなったので手羽元を買いに行った。無塩バターが相変わらずぜんぜん手に入らない。前回は助けてくれたクイーンズ伊勢丹も無塩だけすっかり空っぽだった。22cmのケーキ練習はしばらくお休みかもしれない。新高円寺、メロンパンの看板が外れた店にはから揚げ弁当とマンゴータルトと多国籍の惣菜が不思議な取り合わせで並んでいた。
買い物から帰ると祖母が入院している病院からコロナ患者が出たとのニュース。にわかにざわつく。母とその兄弟がグループ通話で緊急会議を開くのを耳に挟みながら台所に立つ。まだニュースを知らないという祖母に伝える言葉を子どもたちが慎重に選んで当人に電話をかけると、祖母はすっかり事実を知っていたし思いのほかあっけらかんとしていた。
そんなようなこともあってこのところ考えることが多そうな母が焼いてくれたりんごのヨーグルトケーキ(母の定番で、バターを使わない)を食べる。